僧侶が生成AIを活用したSNS用画像デザインを勉強!アドビがワークショップ「まちの広作室 in ながの」を開催
アドビは各地の社会課題をクリエイティブの力で解決・支援する取り組み「まちの広作室」第11回を、長野県の善光寺 本坊 大勧進にて開催した。
アドビが取り組む「まちの広作室」
「まちの広作室」は、一般の方々が日常的に行う広報デザイン(チラシやSNS用画像など)を「Adobe Express」で簡単に作成できるよう支援する、アドビが取り組むプロジェクト。
これまで東京・下北沢商店街、福島県・大熊町、鹿児島市、高松市、長崎市、大阪市、山形市、宮崎市、東京・早稲田、広島など全国10か所で開催し、地域の広報やデザイン課題の解決をサポートしてきた。
本イベントに参加した方からは「簡単に画像が作れた」「集客につながった」などの声が寄せられている。
そして第11回目となる今回は、長野県の善光寺 本坊 大勧進にて、寺院に所属する僧侶や寺院関係者を対象に実施した。
近年、檀家制度の変化や価値観の多様化、コロナ禍の影響など、寺院運営は大きな転換期を迎えている。
これまで安定していた運営基盤が揺らぐ中、僧侶自らが社会との接点を築き、想いや活動を主体的に伝えていく必要性が高まっている一方で、情報発信・企画・伝え方などを実践的に学ぶ機会は限られているのが現状。
今回の「まちの広作室」は、生成AIを活用したコンセプト設計やビジュアル表現を学び、お寺が課題とする現代での情報発信の助力となる様なイベントとして開催された。
善光寺 本坊 大勧進で「まちの広作室 in ながの」開催
本イベント冒頭、浄土真宗本願寺派白鳥山本覚寺僧侶・本願寺派布教使で、フリーアナウンサーの海野紀恵さんが登壇。

本イベントには長野県だけでなく、山梨県・新潟県からも参加者が集まったことにお礼の言葉を述べつつ、
「僧侶として活動をする中、この僧侶・お寺業界というのは、仏教については研修会があるのですが、それ以外を学ぶ機会が少ないなと感じました。仏教のことやお寺のことには詳しくなると思うのですが、残念ながら寺院運営というのは、それだけではしていけないというのが現実かなと思っています。寺院運営の大切な要素の中に、もちろん経営のこともそうですが、情報発信というのは、これからお寺が力を入れていかなければいけないところかなと思います。」
と、寺院運営における情報発信の大切さを語り、特に何を発信するのか、どのようなお寺にしていきたいのか、ということが重要だと説明。
そこで、アドビ主催の本イベントで、プロのデザイナーやイラストレーターたちから学ぶ機会を作ったと、開催背景を語った。
また、今回の取り組みにあたってテンプレートに使用できるモチーフの提供などを行った、浄土真宗本願寺派青木山極楽寺住職・消しゴムはんこ作家の麻田弘潤さんは、

「私は住職になって31年になりますが、お寺・僧侶というのは、この何百年にわたって、周りの人が頭を下げてくれたり、話を一方的に聞いてくださったりというのがずっと続いてきています。発信することに関して、ものすごく長けていない、というのが私たちお寺の世界なのではないかと思うんです。それぞれの宗派のルールがありますけど、それは一旦外していただいて、自分たちが何をしていきたいのか、というところを表現して作っていくとよいのではないかなと思います。」
と、お寺のこれまでの歴史をふまえ、フラットな状態で学んでほしいとコメントした。
「想いを見える化」するデザイン
ワークショップ前半の講師として、デザイナーの久保田涼子さんが登壇。
久保田さんからは「想いを見える化」するためのデザイン方法を学び、参加者たちはSNSで使用する画像を作成していくことに。

左から久保田涼子さん、北沢直樹さん
久保田さんは、

「皆さん、アートとデザインの違いは何だと思いますか。アートは主観的で良いのですが、デザインという仕事は客観的でなければなりません。例えば今回のSNS用画像を作ってくださいと言うと、自分が主観的に好きなものを選んでしまう傾向が絶対あると思います。今回考えてほしいポイントは、自身が作ったものを『誰が見るか』『それを見てどのように感じるか』という客観的な視点を忘れずに持つことです。」
と解説し、常に第三者の目を持ちながら制作してほしいと語った。

そして、デザインを作る前に「コンセプト」を設計することが大切なポイントだと指摘。
「デザインを作る正しい順番があります。ステップ1はコンセプト設計。誰に、何をどう伝え、どうなってほしいのかを設計していきます。」

と、デザインにおけるコンセプト設計がどれだけ大事なのかを伝えた。

参加者は、講師たちのアドバイスをもとに、同じテーブルに座った班員同士で事前に用意したワークシートをもとに語り合い、それぞれコンセプトを設計していく。

「誰に何を届けるのかというコンセプト設計ができたら、やっとデザインになります。コンセプト設計の後、今度は与えたい印象を決めていきます。例えば、信頼感を与えたいとか、安心感・誠実さを与えていきたいというようなフローです。」
と、コンセプト設計が一通りできた段階で、続いてはデザインの段階へ。
デザインの「整列」「近接」などの理論や、コンセプトに沿ったフォント選びの重要性、デザインにおける色の大切さなどを解説し、これによって整って見えたり伝えたいことがイメージ化していくことを伝え、参加者たちも真剣な表情で学んでいった。

Adobe Expressで実際に画像作成へ
イベント後半では、イラストレーター/キャラクターデザイナーの北沢直樹さんが登壇。
経験者やプロフェッショナルらも使用し、初心者でも品質の高いクリエイティブ作品を生み出せるデザインツール「Adobe Express」について紹介。

「基本的な機能以上に知ってもらいたいのは、生成AI。皆さんのような僧侶の方にこそ、生成AIを使っていただきたいんです。アドビの生成AIは、Adobe Stockや著作権フリーなどの商用利用可能な画像しかトレーニング(使用)していないので安全。皆さんも色々な場面で使っていただけるかなと思います」
と、Adobe Express内でも利用できる生成AI機能「Adobe Firefly」について、安全性や利便性を説明した。



参加者たちはAdobe ExpressやAdobe Fireflyの基本的な使い方を学びつつ、いよいよ自分たちが持ち寄った素材やコンセプトをもとに、SNS用画像を作成していくことに。


初めてアドビのツールに触れたという方もいる中、講師やスタッフのアドバイスのもと、みるみるうちに美しいデザインの画像が完成。
ワークショップ後には、それぞれが制作した画像を発表した。


イベントの最後に、
「Adobe Expressは気軽に使用していただけますし、アドビのCreative Cloudユーザーの方は、追加料金なしで有料版を利用することができます。パソコンと同様にiPhoneでもアプリをダウンロードすることで同様の編集を行えます。お寺はたくさんの広報物を作る機会が多いと思いますので、ぜひ今日のこのスキルを活用していただけたら嬉しいなと思います。」
と講師から参加者たちへ語りかけ、イベントを締めくくった。