
日本初となる民間宇宙スタートアップによるアメリカでのロケット垂直離着陸実験「ASCA 1ミッション」の概要を発表
この度、将来宇宙輸送システム株式会社(以下、ISC)は、2025年内にアメリカでの実施を予定している、日本国内の民間宇宙スタートアップとしては初めてとなる垂直離着陸型宇宙ロケットの打上げ・着陸実験である「ASCA 1(アスカ ワン)ミッション」の概要を発表した。
垂直離着陸型宇宙ロケットの打上げ・着陸実験「ASCA(アスカ)ミッション」概要を発表
「ASCA(アスカ)ミッション」は、ISCが独自に推進する日本発の再使用型ロケット開発プロジェクトであり、宇宙輸送の高頻度化と低コスト化を目指す弊社の中核プロジェクト。
「ASCA 1.0」はその初期フェーズにあたる技術実証機であり、高度0.1km以上まで機体を上昇させ、着陸目標地へ誤差5m範囲内に着陸することを目指し、同実験を通じたデータ取得が目的。
今回実施する「ASCA 1.0」試験は2024年10月に構想(設計および製造)を開始し、2025年内にアメリカでの打上げ試験を目指し、開発を進めている。
通常、初期段階のロケット発射試験であっても年単位の開発・試験スケジュールで進行するのが一般的だ。
「ASCA 1.0」の短期間での打上げを実現する要因の一つが、ISCが採用するアジャイル型開発体制。
従来のウォーターフォール型と異なり、開発と検証を段階的に反復し、フィードバックを即時反映する体制により、構想開始から約1年での実証試験体制の確立を実現。
今後、今回ミッション概要を発表した「ASCA 1.0」に続き、2027年上期にはサブオービタル飛行実験を行う「ASCA 1.1」、2028年上期には衛星軌道投入実験を行う「ASCA 1.2」を計画しており、段階的な発展と将来的な実用化を目指す。
あわせて5月28日には、JFEエンジニアリング株式会社との同社リソースを活用するための基本契約調印式を実施し、開発拠点「将来宇宙輸送システム 鶴見ベース」を報道関係者に初公開した。
「ASCA 1.0」試験予定
・打上げ試験予定時期:2025年内
・飛行高度:0.1km
・目的:垂直離着陸の実証
・特徴:
1.Hadleyエンジン×2基(アメリカ・Ursa Major Technologies社製)
2. 機体質量の約40%を3Dプリンターで製造
※金属3Dプリンターによる製造は国内最大規模
3.モデル予測制御(MPC:Model Predictive Control)を採用
離着陸誘導には「モデル予測制御(MPC:Model Predictive Control)」を採用し高精度な制御を実施
4.自律飛行安全システムを搭載
機体健全性及び飛行経路異常を検知した際、自律的に安全処置を実施
・実施場所:スペースポート・アメリカ(アメリカ合衆国・ニューメキシコ州)
※同施設での日本の民間宇宙スタートアップ企業による垂直離着陸実験は日本初
将来宇宙輸送システム:https://innovative-space-carrier.co.jp/