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民間に開かれた商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」指定管理者にSPACE COTANが選定

北海道大樹町(以下、大樹町)と共に、アジア初の民間企業に開かれた商業宇宙港「北海道スペースポート(以下、HOSPO)」の事業を推進するSPACE COTAN株式会社(以下、SPACE COTAN)は、大樹町よりHOSPO既存施設の指定管理者に選ばれ、2023年4月1日からHOSPOの運営を開始したことを告知した。

 

「SPACE COTAN」4月から北海道スペースポートを指定管理者として運営開始

 

「北海道スペースポート(HOSPO)」とは

HOSPOは、2021年4月に北海道十勝総合振興局南部にある大樹町で本格稼働した、アジア初の民間に開かれた商業宇宙港。

大樹町はロケットを打上げる東と南方向に海が広がっていることや、広大な土地による拡張性の高さなどの地理的優位性があることから、世界トップクラスの宇宙港の適地と言われ、約40年前から宇宙産業誘致を進めてきた経緯がある。

大樹町とSPACE COTANは「北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」というビジョン実現に向け、ロケットやスペースプレーンの発射場・実験場を整え、打上げ支援業務を行う。

世界の宇宙ビジネスを支えるインフラとして、研究開発やビジネスのサポートをはじめ、地方創生を含むビジネス機会を提供することが目的。

LC-1と滑走路延伸の整備費用は企業版ふるさと納税を活用しており、地域特性を活かした地方創生の取り組みで人口減少に歯止めがかかっていることなどが評価され、大樹町が令和4年度の企業版ふるさと納税制度の内閣府特命大臣表彰を受けている。


宇宙版シリコンバレーの将来イメージ

 

HOSPOのこれまでと今後の展開

北海道大樹町は1995年、航空宇宙産業基地誘致を開始。その10年後には太平洋に面した町の東部、美成地区に「大樹町多目的航空公園」を開設し、1,000mの転圧滑走路を整備。

2008年にはJAXAと町が連携協力協定を締結し、大気球実験の拠点となるなど、着実に航空宇宙関連産業の集積拠点としての歩みを進めている。

HOSPOでは滑走路やロケット発射場などを使った実験が多数行われ、国内航空宇宙分野の研究開発進展に貢献。

2022年度は19の企業・団体によるロケット・大気球・ドローン・ヘリコプターなどを用いた実験が45件行われた。

今後、新たなロケット発射場「Launch Complex-1(LC-1)」の整備(2023年度完成予定)と、滑走路の300m延伸(2024年度完成予定)などを進め、実験環境の充実を図っていくと説明している。

そんなHOSPOに指定管理者制度が導入されるのは今回が初めて。SPACE COTANは1,000m滑走路や第一格納庫・第二格納庫を使用した航空宇宙実験、イベントの受け入れを行うとしている。

また、HOSPOでの実験で使われた小型ロケットや、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の実験機体、大樹町の民間ロケット会社インターステラテクノロジズのロケット「MOMO」の模型などを展示するミュージアム「大樹町宇宙交流センターSORA」の運営を担い、観光客や教育旅行・企業視察の受け入れを強化。

SPACE COTANは、航空宇宙事業者の方々に向けて快適な実験環境を提供することで、研究開発の促進と航空宇宙産業の発展を支えると共に、本施設を活用した観光振興や教育・航空宇宙人材の育成といった地方創生にも貢献していくと説明した。

 

代表者コメント

●大樹町長 酒森正人氏

「北海道スペースポートは、これまで多くの航空宇宙関連企業等に活用いただいておりますが、大樹町の宇宙の取り組みが注目される中、当施設の需要は益々高まっていくものと考えています。

このような状況から、民間のノウハウを活かし管理・運営を進めることが、施設の性格・機能上及び事業効果を更に期待できるものと考え、この度、指定管理者制度を導入し、運営をSPACE COTAN社に委託することとしました。

ご利用いただく皆様には、これまで以上のサービスを提供できるよう、SPACE COTAN社と協力してまいりますので、変わらぬご愛顧を賜りますようお願いいたします。」

 

●SPACE COTAN株式会社 代表取締役社長兼CEO 小田切 義憲氏

「大樹町は40年弱、民間企業や大学、団体の実験を受け入れ、受け入れ姿勢やサポートにおいて、各利用者と信頼関係を構築し、国内の航空宇宙業界で実験の適地として有効に活用されてきました。

弊社では大樹町がこれまで築いてきた実績、信頼を引き継ぎ、様々な御利用者ニーズに併せてサービス充実を進め、大樹町と我々のビジョンである北海道における宇宙版シリコンバレー創出に取り組んでまいります。」

 

宇宙開発は飛躍的な技術進歩のおかげで急速に進み、民間企業の参入が当たり前となるのも時間の問題だろう。しかし日本は海外と比べて大きく遅れを取っているのが現状だ。

このHOSPOをきっかけとして、宇宙への興味・関心などが高まる可能性は大いにあるかもしれない。

今後はSPACE COTAN社が指定管理者として運営していく方針となっているので、興味がある・利用したいという企業・団体は問い合わせてみてはいかがだろうか。

HOSPO公式サイト:https://hokkaidospaceport.com/