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多様な働き方の実現に取り組む重要性と成功事例を紹介する「未来の働き方推進フォーラム」が都内で開催!

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東京都は、多様な働き方を推進すると共に、テクノロジーを活用した生産性の高い“未来の働き方”の機運醸成を図るため「東京の未来の働き方推進事業」を2024年度から新たに実施。

その取り組みの一環として、多様で柔軟な未来の働き方に取り組む意義や、企業のメリットなどについて考える「未来の働き方推進フォーラム」が都内で開催された。

 

第1回「未来の働き方推進フォーラム」開催

東京都が実施する「東京の未来の働き方推進事業」とは、多様で柔軟な働き方の実現に向け、積極的に取り組む企業を「東京サステナブルワーク企業」として登録し、推進を図る取り組みだ。

これから取り組んでいく企業には、社会保険労務士やITコーディネータの派遣を行い、テクノロジーを活用した生産性の高い新しい働き方の実現を支援。

その他、未来の働き方について考えるフォーラムや、より先進的な取組を行う企業を表彰する「Tokyo Future Work Award」等を実施することを告知しており、この度都内で「未来の働き方推進フォーラム」を開催した。

本フォーラムにはタレント・国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏が登壇し、基調講演を実施。

ロバートソン氏は「未来が凄まじい速さで押し寄せてきます。」と切り出すと、今後は想定できない状況がどんどんと押し寄せてくるとコメント。

これまでの日本経済の構造の弱点がそのままであったことで、そのツケが積載するように同時に押し寄せ、一人ひとりのキャリア形成途上において、環境が不安定になる等の問題が起きていると指摘。

「これからは同一の社会の中で定年まで働いて、何もないというリスクフリーな環境は(ほぼ)ないと思います。」

と、今後の働き方の変化を予測。

さらにロバートソン氏は、自身が作った造語「AI小作(小作民の“小作”)」やジェンダーによる格差や差別の根強さ、訪日外国人とそれに対応する企業のサービス向上などを事例に出して解説。

今後キャリアを作っていく方々に対しては、

「若いうちに早めに冒険を重ねて、失敗する回数を増やしておくことが大切です。“私は、どうしたいのか?”これを改めて自問自答していくことで、自分の生き方や働き方に変革をもたらすことができるのです。」

と、アドバイス。さらに失敗・脱落する最悪の事態に備え、別のプランを考えておくことを勧めた。

続いて、株式会社働きかた研究所 代表取締役を務める平田未緒氏が登壇し「パラダイムシフトを乗り越えて未来に輝く会社になる方法」というテーマで一般公演を実施。

平田氏は、

「“うちの会社の社内こそ対話を大事にしよう”と実践しています。“対話”とは互いの思いや考え、感情をちゃんと伝えて、相手のそれを受け取るということ。これを凄く大事にしています。」

と、組織においては“相手の話をよく聞く”と同時に、一人ひとりが“考えて伝える”という相思相愛な対話の風土を作ることが重要なのだと解説した。

平田氏は講演内で、複数の企業の取り組みを披露しつつ、

「これまではお互いに人として関係が薄く、信頼がないためちょっとしたことに反応的になりやすかった傾向にあります。しかし、人としてフラットで互いを尊重し、人として認識することが会社の利益を生み出す土台となり、働き方改革において大切な考え方です。特に“人間関係”と“何を目指す”のか。この2つが最も大事なことだと思っています。」

と、組織をより良くして未来に輝く企業にしていくためのコツを解説した。

 

“未来の働き方”の実現に向け取り組む企業による「パネルディスカッション」も実施

「未来の働き方推進フォーラム」後半では、エコアティア株式会社、社会福祉法人げんき、多摩冶金株式会社の3社によるパネルディスカッションを実施した。

まず最初に、エコアティア株式会社 代表取締役の多澤信城氏が、自社で取り組んでいる事例を発表。

エコアティアは2018年に設立された、江戸川区で不動産の調査・設計・施工管理などを行っている企業。

家族を含めて安心な暮らしをしてもらいたいという想いをもち、そのためには地球環境が生活にも大きな影響を与えることから「地球環境の改善を通じて、より豊かな生活環境を未来へ」を企業理念として掲げている。

多澤氏は、

「全員参加の月1回の定例会議をオンラインで実施しています。ほぼ全ての案件の進捗を全員で共有して“見える化。ミーティングの最後にどんなことでも構わないので、一言会話ができる機会を設けています。目の前に思いつくものでトライ&エラーを繰り返す、“行き当たりばったり方式”で働き方改革を進めた結果、全員経営という理念が生まれ、気づけばDX化に結び付く事ができました。」

と、その場で必要なことに取り組んでいたことで会社にとって良い効果を生んだと説明した。

続いて、社会福祉法人げんき 業務執行理事の伊藤美佐氏が取り組みを発表。

社会福祉法人げんきは、1995年に障がいを持つ子どもたちと、その親のグループにより発足した「カンガルークラブ」が2001年にNPO法人化し、2012年に現在の社会福祉法人げんきを設立している。

しかし、コロナ禍などの機器的状況から職員の確保や“自分らしく働く”ことができなくなり、サービスの提供が未来にわたってできなくなるという課題に直面したことで、サービスを提供しながらも職員が安心して働くことができる環境づくりのため、働き方改革に着手。

伊藤氏は、

「多様な働き方、自分らしい働き方の推進するため、取得時間の制限がない短時間正職員制度を導入したり、ICT化の推進により合理化・効率化を積極的に推進しました。タブレットや社用スマホ、アプリの導入など、働き方の工夫を取り入れて、心身ともに健康と安心して働き続けられる現場環境を整えたことで、数々の賞を受賞させて頂き、業務効率も改善しました。」

と取り組みを紹介。現在は職員の定着率も向上したと説明した。

最後に、多摩冶金株式会社 代表取締役副社長を務める山田真輔氏が取り組みを発表。

多摩冶金は1951年創業の、金属の熱処理などを主に行っている企業で、国内70名・海外70名の従業員を抱えており、現在は航空機内の部品に使われる素材を製造。山田氏は現在3代目で、実の兄と共に代表を務めている。

100年企業をマイルストーン(中間目標地点)に置いた事業構想を目指しているものの、

「企業理念が5つあるのですが、社員へ浸透しにくい課題が残りました。そこで企業理念を“我らの木”として(3年程前から)ビジュアル化し、ロゴや社内を新しくするなどブランディングを行いました。」

と説明した。

企業理念を“木”としてビジュアル化した理由については「地域社会にも還元できる木になっていこう、そういった木をみんなで育てていこう」といった想いが込められているそうだ。

リーマンショックを機に航空業界へ参入した多摩冶金だが、人材確保が課題となったそうだ。

「採用も独自の“価値観採用”という、1日一緒に過ごす体験方式をするなど、人材集めも工夫しています。」

と、2015年から始めた独自の採用方法などが成功し「働く会社を愛せない社員」の意識変革など、社内に新しい風を吹かせることに成功したと発表した。

 

講演やパネルディスカッションなどで紹介された事例・実践している取り組みを、来場者も真剣な様子で聞き入る中、無事終了した「未来の働き方推進フォーラム」。

第2回開催は2024年9月13日、オンラインライブ配信での開催を予定しているので、今後の取り組み方のヒントやきっかけなどを探しているという方は、申込みをしてみてはいかがだろうか。

東京の未来の働き方推進事業:https://mirai-hatarakikata.metro.tokyo.lg.jp/
未来の働き方フォーラム詳細:https://mirai-hatarakikata.metro.tokyo.lg.jp/forum/