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回転機器の保全力維持へ貢献!三井情報が展開する予兆検知ソリューション「AssetWatch」とは

現在日本では、回転機器を使用した工場・設備などの老朽化が懸念されている。

さらに、昨今の高齢化社会による人材不足に拍車がかかり、こういった設備の点検・検査に手が回らず、従来通りの人力点検・検査だけでは保全力の維持は年を経るごとに難しくなっているのが現状だ。

そこで三井情報株式会社は、回転機器の異常などの予兆を早期に検知し、原因分析・保全アドバイスまで行ってくれる伴走型支援ソリューション「AssetWatch(アセットウォッチ)」を2024年4月より展開。

2025年には、東京都水道局と設備保全業務のデジタル化に向け、技術検証を共同で実施している。

今回、三井情報の担当者に、AssetWatchとはどのようなサービスなのかをはじめ、今後の展望などについて話を伺った。

 

回転機器予兆検知ソリューション「AssetWatch」とは

「AssetWatch(アセットウォッチ)」は、IoTセンサーを設備に設置するだけで、回転機器の稼働を遠隔監視し「AI×振動分析の専門家」による早期で高精度な予兆検知を実施。

従来の閾値判定では捉えにくかった「異常の兆候」をいち早く検知し、顧客の代わりに専門家が原因分析〜保全アドバイスまで行ってくれる、回転機器予兆検知診断ソリューションだ。

三井情報 NEXT1営業本部 DX第一営業部 第一営業室の荒谷勇生氏によると、本ソリューションはアメリカ・オハイオ州のAssetWatch社が開発・販売しており、三井情報は独占販売契約を締結し、2024年4月より日本国内で展開を開始。

現在、提供から2年ほどが経過したが、すでに20社以上の取引先にAssetWatchは導入されているという。

「競合他社サービスとの一番の差別化点は『CME(Condition Monitoring Engineer)』と呼ばれる、振動分析の知見をもつ監視技術者、つまり専門家が、取得された振動データをもとに原因分析に基づいた具体的な対処・提案を行い、原因解決までサポートを行う点です。」

と荒谷氏は説明する。

単なる異常検知だけならば、他にも競合サービスはあるものの、ほとんどがセンサーの買取が必要だったり、システム・専門家への相談は別料金・サポート外のものが多い。

AssetWatchはこれら全てをパッケージ化しており、サービスの提供形式も初期費用ゼロのサブスクリプションサービスとして展開している。

そのため、初期投資を抑えながらスモールスタートが可能で、実際の運用効果を見極めた上で本格導入を検討できる点が特徴。

さらに本体センサーの通信は無線式。バッテリー内蔵型で約2〜3年ほど保ち、マグネット取付けで、回転機器の種類を選ばず設置できる。

各種製造業をはじめ、上下水道処理施設やオフィスビル、商業施設といった幅広い業種に適用可能だ。

今回三井情報は、老朽化が進む自治体のインフラ設備の1つとして、東京都水道局と設備保全業務のデジタル化に向けた技術検証を共同で実施。

「今回の技術検証では、通常の目視点検ではほぼ問題にならないような、データの変化の兆しを捉えました。増減傾向や周波数成分量といった変化を分析した結果、約1カ月の検証期間中に、弊社CMEから2点ほど注視すべきポイントについて具体的な助言を行っています。」

と振り返る。

三井情報 NEXT1営業本部 DX第一営業部の當眞嗣尚部長は今回の技術検証について、

「東京都様は、常日頃からメンテナンスをしっかりされているので大きな故障はありませんでしたが、今後(故障などに)つながる可能性があるところだけでも共有することができたのは、今回の技術検証の重要な成果だと思います。」

と今回の成果を評価する。

「機器点検を全て無人化する、ということは(まだ)できないかと思いますが、点検の頻度を減らしたりと、業務負担の削減・設備の効率稼働に貢献できます。例えば、浄水場の水を遠方へ送る際、途中でブースターポンプのような施設で圧力をかけ、遠くまで水を運んでいますが、こういった遠隔地の点検負担の軽減や、異常の予兆検知なども図ることができるでしょう。」

と、AssetWatchの具体的な活用イメージを示した。

 

AssetWatchの今後の展開や活用される未来への展望

今回の東京都水道局との技術検証で得られた「大規模インフラでの知見の活用」について當眞部長に伺うと、

「弊社はこれまで、ICTを軸にお客様の業務を支援してきましたので、例えば製造業のお客様をターゲットに考えた際、我々がアプローチをしても、これまでは情報システム部門しか話をすることができませんでした。しかし、AssetWatchを提供していることによって、製造業などでDXを推進しようとしている企業様にアプローチができるようになります。そこへ弊社の強みであるソリューションをつなげ、顧客への支援の幅を広げていきたいと思っています。」

と、技術検証で得た知識をもとに、さまざまな企業へ三井情報がもつ技術を駆使し、支援していくと語った。

「(商品展開から2年ですが、)新しいサービスなどは『面白そうだけど、うちの現場で使えるのか?』というハードルが必ずあります。我々はサービスとご提案を通してそれを払拭しなければいけません。AssetWatchはスモールスタートで始められるサブスク提供かつ、CMEの解析により現場の保全員様が本当に必要な情報をご提供するサービスですので、安心して使っていただけると思います。」

と荒谷氏は自信をのぞかせた。

AssetWatchはメーカーも日々投資を実施し、機能追加や向上などを行っていると説明。

「振動分析から、プラント設備を運営されている方に寄与できるサービスを検討しています。弊社はアプリケーション領域に強いので、そういった連携をまずはAssetWatchで行い、そこからさらにアプリケーションを広げていければ。」

とと當眞部長は述べ、製造業界などにおけるデジタル化の加速に意欲を示した。