転職サービス「doda」リモートワークをテーマに企業人事・ビジネスパーソンを対象とした調査を実施
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、20〜60歳代のビジネスパーソン500名と企業の人事担当者500名の合計1,000名を対象に「リモートワーク」をテーマに調査を実施した。
リモートワークが可能な求人数が増加傾向にある中、現在の働き方のリアルや企業・ビジネスパーソンの本音についても探った内容となっている。
dodaが「リモートワークのリアル」に関する調査を実施
転職情報サイト「doda」内での検索キーワードランキング(2023年11月更新)では、
1位:フルリモート
2位:在宅勤務
4位:リモート
5位:在宅
と、上位の検索キーワードが3位を除く全てで「リモートワーク」の類似キーワードを占めており、ビジネスパーソンの関心が非常に高いことが伺える。
また、dodaで扱う約22万件の求人票を確認すると、第1回目の緊急事態宣言の発令月との比較で「リモートワーク」可能求人数は約24倍と伸長しており、現在も「リモートワーク」での就労環境は広がり続けているようだ。
これを受け、dodaは現在の「リモートワーク」の“リアル”を明らかにするべく、企業人事担当者とビジネスパーソンへ調査を実施した。
新型コロナ5類移行後のリモートワーク導入率は8.8pt上昇!実施頻度は減少傾向に
スクリーニング調査の結果を見ると、新型コロナ5類移行前にリモートワークを「導入していた」と回答した企業は全体の「57.4%」となり、現在の導入状況について尋ねると「66.2%」となった。
8.8pt上昇する結果になり、5類移行後もリモートワークを導入する企業が増えていることが分かる。
また、業種毎では、IT・通信の上昇幅が16.9ptでトップとなり、次いで小売・流通の14.8pt上昇、建設・不動産の13.8pt上昇と続いた。
一方でリモートワークの平均的な実施頻度を尋ねると「週に1日程度」「週に2日程度」と回答した企業が増えたことから、リモートワークの実施頻度は低下していると推察出来る。
新型コロナ流行時は感染防止の緊急措置としての導入が一定割合を占めていたものの、時間が経つにつれ「リモートワーク」制度の採用面でのメリットが高まり、戦略的に制度導入/継続する企業が増えていると考えられるとdodaキャリアアドバイザーはコメント。
「2024年問題」や「2025年の崖(2025年問題)」対策として社員の定着率向上や新規の人材獲得ニーズが高まっていることが、リモートワーク導入増加の一端となっているのだろうと語っている。
8割以上の企業が「リモートワーク」導入を継続予定と回答
今後のリモートワーク制度について尋ねると、導入企業の計85.2%が継続すると回答し、未導入企業でも計19.2%が新設を予定していることが分かった。
合わせて採用面への影響を聞いたところ、導入企業の計92.4%(「思う」55.2%・「やや思う」37.2%)がリモートワーク制度は「良い影響を与えると思う」と回答し、未導入企業においても計60.4%(「思う」26.0%、「やや思う」34.4%)が良い影響を感じているようだ。
リモートワークを行っている企業と対応していない企業、今後採用面で影響を与える可能性は高そうだと考える企業が多数を占めていることが分かる結果となった。
ビジネスパーソンの9割以上が今後も「リモートワーク」で働きたいと回答
「リモートワーク」をおこなっている個人に対し、今後も継続してリモートワークで働きたいかを尋ねたところ「そう思う」という回答が合計で95.2%(「そう思う」64.6%・「ややそう思う」30.6%)に上った。
この回答では世代毎の変化はなく、全ての年代で9割を超える結果となっている。
この結果を裏付けるように、リモートワークを継続出来なくなった場合の転職意向を尋ねると、合わせて65.4%(「検討する」34.8%・「やや検討する」30.6%)が検討すると答えた。
dodaキャリアアドバイザーはこの傾向について、第2位に大きな差をつけて「通勤時間の削減(73.2%)」が最多、次いで「家族との時間が増えた(36.8%)」「健康管理がしやすい(30.8%)」「作業効率の向上(30.6%)」「趣味の時間が増えた(30.0%)」と回答したと明かした。
これにより、リモートワークの活用で仕事・プライベートのバランスを高めたいという個人の心情が伺えるとコメントした。
しかし、リモートワークにはメリットもあればデメリットもある。
リモートワークのデメリットについて聞くと、最も多かった回答が「コミュニケーション量・質の低下(35.0%)」となったほか、次いで「仕事とプライベートが切り分けづらい(27.2%)」「インターネットやデスクなどの環境(22.4%)」と続いた。
リモートワーク就労意向で「そう思う」と回答した20代は、他年代よりやや低い割合になったものの、この背景にも最多回答に挙がった「デメリット」が表れていると推測出来ると話している。
リモートワークへの柔軟性レベルでワークライフバランス満足度に大きな差が出る結果に
現在のワークライフバランスへの満足度について尋ねたところ「満足している(28.4%)」「やや満足している(50.8%)」と、リモートワークを行っている「個人」の計79.2%が満足していることが分かった。
合わせて、頻度・曜日・時間など「リモートワーク」の柔軟性レベルごとに満足度の変化を比較すると「裁量のある」個人の満足度は計89.1%であることに対し、裁量範囲が下がるにつれて満足度は低下。
「ある程度裁量がある」個人は計71.3%、そして「裁量がない」個人は計66.0%という結果となり、満足していない人が増加している。
裁量がある場合とない場合の満足度の差は、なんと「23.1pt」にものぼることが分かった。
dodaキャリアアドバイザーはこの調査結果から、リモートワークの裁量度がワークライフバランスの満足度に影響していると推察している。
「リモートワークにどれだけ柔軟性があるか」が、今後の人材獲得の焦点となってくるかもしれない。
ビジネスパーソンは働き方の変化をどう捉えるべきか
doda編集長の加々美祐介氏は今回の調査を総括。
「企業への調査からは、週当たりのリモートワーク実施頻度は減少傾向ながら、制度導入企業の割合は伸びていることが分かりました。その背景には制度導入企業の9割超で、また未導入企業の約6割でも採用面への好影響を感じていることが挙げられます。」
と話し、リモートワークで働きたい個人が多くなっている傾向から、リモートワークを導入・継続する企業が増えつつあるとコメントした。
しかし、あくまでもリモートワークは勤務スタイルの1つだと語っている。
「まずは、仕事へのやりがい・人間関係・将来の年収等にまで視点を広げ、自身が働き方にどのような価値観や希望を持つかを振り返りましょう。これを実現させるための1つの手段として、適した勤務スタイルをリモートワーク・オフィスワーク・リモートワークとオフィスワークのハイブリッド等から選択すると、自分らしいキャリア形成に繋がるのではないでしょうか。」
とアドバイスした。
dodaが行ったリモートワークについての調査は、個人のリモートワークを行いたいという希望が多く、企業側にも反映される形となった。
しかし、今後は働きやすさ・勤務スタイルなどだけでなく、人間関係や将来性にまで目を向ける必要性も指摘された。
転職をしようか悩んでいる方は、1人で悩まずdodaのキャリアアドバイザーへの相談を検討してみてはいかがだろうか。
doda:https://doda.jp
「リモートワーク」に関する調査概要
【個人向け調査】
対象者:3大都市圏/東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)、大阪圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県)で従業員規模10名以上の企業でリモートワークをおこなう20〜60代男女、会社員(正社員・契約社員)※人事担当、取締役相当、代表取締役・社長相当、その他管理職、管理職ではないが管理職相当、今後働こうとは思わない方を除く
集計対象数:500名(性年代均等割付)
調査手法:インターネット調査
調査期間:2023年10月27日〜10月30日
【企業向け調査】
対象者:3大都市圏/東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)、大阪圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県)で従業員規模10名以上の企業ではたらく20〜60代の人事担当者
集計対象数:500名(リモートワーク実施企業250名、リモートワーク未実施企業250名)
調査手法:インターネット調査
調査期間:2023年10月27日〜10月31日