“フリーランスファースト”を本気で形にした会社——PE-BANK・高田幹也代表が語る「フリーランスと共に成長する企業」とは
株式会社MCEAホールディングスのグループ会社で、ITエンジニアの新しい働き方を提案する株式会社PE-BANKは、ITフリーランスエンジニアエージェント事業における国内最古参企業。
2026年1月より下請法(下請代金支払遅延等防止法)は「中小受託取引適正化法(以下、取適法)」に大幅に改正され、中小企業やフリーランスの保護を強化することに。
これまで常態化していたIT業界の3社以上にまたがる“過重下請け構造”に対してメスが入った形だが、PE-BANKは今回の改正よりも遥か前から、契約の透明性や「共同受注体制」によって、フリーランスエンジニアに対して適正な価値を提供している。
今回、株式会社PE-BANK 代表取締役の高田幹也氏に、同社のエージェント事業や、今回の法改正などについて話を伺った。
PE-BANKとは
PE-BANKは、1989年に15名のITフリーランスが中心となり立ち上げた「首都圏コンピュータ技術者協同組合」が前身。
「ITフリーランスの社会的地位が、より一層高まる社会を創り上げる。」をミッションに掲げ、ITフリーランスエンジニアエージェント事業の国内最古参企業として、30年以上にわたり企業とエンジニアを繋いできた。

PE-BANKのシンボルマークであるさくらんぼは、同社が使命として掲げる「企業が求める人材を、エンジニアが求める仕事を」と、3者のグッドリレーション、さらにグッドパートナーシップを表現したものだ。
PE-BANKには、全国で50,000名以上のエンジニアが登録しており、その中でも最大の特徴はエンジニアの収入や業務内容を透明化する「共同受注契約」という独自の仕組みだ。
IT業界では、元請けから複数の下請け会社が間にまたがる「多重下請け」の構造が当たり前となっていた。
当然、間に引かれるマージンなどの詳細は、実務をこなすフリーランスエンジニアには明かされないことがほとんどで「自身が適正な価格で依頼を受けているのか?」という不透明な状態が常につきまとっている。
しかしPE-BANKの共同受注契約では、フリーランスエンジニアは業務内容や報酬体系を明確に把握することができるため、安心して案件に取り組むことが可能だ。
フリーランスエンジニアから支持される仕組みと高田代表の想い
これほどまでフリーランスエンジニアを大事にしているPE-BANKだが、当然誰でも登録できるわけではない。
PE-BANKでは、フリーランスエンジニアと「プロ契約」と呼ばれる契約を行っており、真面目に依頼に取り組むことや青色確定申告を行うことなどはもちろん、年1回行われるセキュリティ教育の受講、そして「労働者」と「フリーランス」の違いを明確に理解すること、などが条件となっている。

「基本的に弊社が提案するフリーランスは、“プロ”としてしっかり取り組んでいるというお墨付きを契約することで、お客様(発注企業)からも信頼を得られています。また、本人も自覚を持って働いてもらうことを目的として、こういう契約を作っています。」
と高田代表。
対等の立場として、フリーランスエンジニアは技術・作業を、PE-BANKはその他の業務を行い、1つのプロジェクトを進めていく。
また、フリーランスエンジニアのコミュニティ作成のため、エンジニアが押さえておくべき業界動向を学び、語り合うイベント「ProTechOne(プロテックワン)」や、一年の労をねぎらうとともに、プロエンジニア同士の繋がりとPE-BANK社員との交流の場となる「プロエンジニアパーティー」を実施していることなど、競合他社にはない取り組みを行っている。
「フリーランスエンジニアの人脈やコミュニティというものが、やっぱりどうしても少し閉ざされがちな部分もあると思いますし、そういう人たちの中で、色々なイベントに参加してもらった人同士のコミュニティができていくことは、やっぱりフリーランス業界としてもいいことだろうなと思っています。そういったことを提供していってることが弊社の一つの強みであり、他社との差別化点なのかなと思いますね。」
と語るなど、PE-BANK、そして高田代表はどこまでもフリーランスエンジニアファーストを貫いているようだ。
実際に契約内容が透明ということもあり、定着率は高いのだとか。
続けて、IT業界で起きている「多重下請け」について、高田代表に「なぜ多重下請けが無くならなかったのか」を伺った。

「難しい部分ですが、管理コストの問題もあると思っています。元請け企業が、じゃあ今5社ぐらいに発注しているとして、その5社が、各10社に発注してて、さらに…という構造じゃないですか。じゃあ、それを全部元請けが直接契約したら、自社で50社・100社に発注することになります。その際の管理コストが問題なのかなと思います。1次請け企業でも、やっぱり自分のところでの限界もあるでしょうし、その習慣・仕組みが原因だと思います。」
とコメント。
「ちゃんと明確な発注が発生しての2次請け、3次請けは全然OKだと思うのですが、ペーパーマージンだけ取って人の名前だけが入り、実態は何の役割もない下請け業者って本当に良くないなと思います。」
と、残すべき中間業者と、排除すべき中間業者についても語った。
法改正による影響とフリーランスエンジニアの今後
1月に法改正された取適法による影響についても伺うと、

「弊社に関しては取適法に対し、もともと適用していたような状態なので特に改善することはありませんでした。(今回の法改正では)エージェントに登録せずに働いているフリーランスの方々などは、この法改正で守られてくる部分もあるのかなと思ってます。」
と教えてくれた。
しかし、フリーランスの労働者たちに対して「労働性を求めようとする」現在の風潮はあまり良くない流れだと高田代表は指摘。
「フリーランスの方は自分で考えて、自分で選択してやっていくものだと個人的に思っています。もちろん企業のマージンも低いところもいっぱいあるとは思いますが、それを自分で選択して、もっと上に上がっていける環境づくりというのは、本人がやるか、我々エージェントが適法の中で頑張ってやっていくところだと思っています。」
と持論を展開した。
前述した多重下請け構造は、今回の取適法への改正で多少は抑えられるものの、完全になくなるわけではない。

「こういった構造は避けて通れないと思うんですよ。我々は基本的に全部公開してやってる会社ですが、その上にはまだ多重下請けの構造はあると思うんです。しかし、我々はそれも『多重下請けありますよ』としっかり話をしていきますし、ぜひ機会があれば、弊社のようなフリーランスと共に成長することを目指す会社に来ていただければ、そこの部分(の不信感や不安)は解消していけるんじゃないかなと思います。」
と高田代表はフリーランスエンジニアたちにPE-BANKをアピールした。
取適法への改正により、多重下請け構造における「中抜き」や不当な減額、代金遅延などの中小事業者へのしわ寄せを防止・是正し、親事業者からの不当な値引き・一方的な発注キャンセルが厳しく規制され、違反した場合には罰則も適用されるそうだ。
フリーランスエンジニアと共に育ち、歩んでいくことを掲げるPE-BANKでは、正当な作業に正当な報酬が得られるよう、案件の詳細やマージンなどを全て公開し、さらにフリーランスエンジニア同士のコミュニティ作りの機会も用意されている。
また、全国展開しており、地方の案件にも強い点も魅力の1つだ。
ITエンジニアとして独立したい方や、これまでの不透明な構造に不満を抱えている方、金額に納得して仕事をしたい方は、PE-BANKは1つの選択肢となるのではないだろうか。
※高田代表の「高」は、正しくは「はしごだか」