アステリア・キーウェアソリューションズが「環境DNA調査」のデジタル化を実施
アステリア株式会社とキーウェアソリューションズ株式会社は、両社が連携し国立大学法人東北大学大学院 生命科学研究科の近藤研究室が主導する、水中の遺伝子情報から生息する生物の多様性を観測する「環境DNA調査」のフィールド調査を、ノーコードモバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」を用いてデジタル化したことを発表した。
アステリアとキーウェアソリューションズが「環境DNA調査」をデジタル化!
アステリアは社会や企業を「つなぐ」エキスパートとして「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、ヒト、モノ、オモイを「つなぐ」製品やサービスを提供するソフトウェア開発企業。
今回アステリアは、約60年以上にわたって官公庁・運輸・通信・金融・医療・流通・製造など多様な分野において、社会インフラを支える情報システムの構築に携わっているキーウェアソリューションズと手を組み、東北大学大学院生命科学研究科 近藤研究室主導のプロジェクト「環境DNA調査」を「Platio」を用いてデジタル化した。
同大学院では、生命科学研究科の近藤倫生教授の統括の下、バケツ1杯の水に含まれる遺伝子情報から生息する生物の種類や分布を判別する環境DNA調査を手掛けている。
この調査では、市民ボランティアなどの調査員が全国各地の海や川の水を採取。調査員は採水した日時、位置情報(経緯度)、天候などの情報を紙に手書きで記載する形態でのフィールド調査を実施していたそうだ。
しかしながら、フィールド調査における記録が屋外での“手書き入力”であったため、桁数が多くなる経緯度などの記録では記載ミスが多発したほか、紙の調査票が汚れてしまうなど、アナログならではの課題を抱えていた。
さらに紙に記載された大量の情報をパソコンで入力する必要があるなど、後工程でのデータ登録作業も非効率となっていたことから、フィールド調査のデジタル化を検討していたそうだ。
今回のデジタル化により、今まで手書きで記録していた採水地点の位置情報や調査日時等の記録が自動化・デジタル化され、調査データの取り込みもCSVデータで一括処理が可能となり、データ登録工数が半分以下に削減されたのだそう。
東北大学大学院生命科学研究科の近藤倫生教授は、今後も全国各地で行われるフィールド調査に対応した新規アプリを作成するなど、調査・研究活動におけるデジタル化やDXを推進していく方針となっている。
近藤教授は、
「今年からPlatioを導入し小学生から高齢者まで150名以上の調査員が利用しましたが、従来の紙への記録では多発していた経緯度の誤記や入力ミスがほぼ無くなり、データ登録作業時間もいっきに削減することができました。
ノーコード仕様なので、私自身がPlatioアプリのカスタマイズができることも画期的で、小さなことでも気がつく度に改善を加え続けています。大学の調査・研究活動には、まだまだ沢山のアナログ処理が残っているので、他の研究活動でもPlatioによるデジタル化を検討していきたいです。」
とコメントした。
Platio導入で改善したポイント
●抱えていた課題
・紙に記録された調査結果をデータ化する入力作業に相当の工数が必要
・手書きで記録していたため位置情報(緯経度)を中心に記載ミスが多い
・デジタル化やアプリ化を検討するにも関係者に専門知識のある人がいない
・山間部や海岸が主要調査地点のため、通信圏外となる調査地点が多い
・屋外かつ水辺でのフィールド調査が多く調査票が濡れるなどの問題が多発
●Platioが解決したポイント
・アプリに入力された内容は即座にデータ化されるので、紙への記録をデータ入力する作業が解消された[100件あたり約2.5時間の登録工数削減を実現]
・スマホのGPS機能が活用できるので、位置情報の記録が自動化され経緯度の転記ミスが撲滅された[全体の20%程度必要だった修正を撲滅]
・アプリ作成経験のない非IT技術者でもアプリの作成やカスタマイズが可能なノーコード仕様(注)
・アプリ利用時に通信圏外であっても、通信接続回復時に自動アップロードされるPlatio独自の機能が僻地調査で有効
・屋外での紙によるアナログ記録からスマホアプリへの入力になり記録情報の品質向上へ[ヒューマンエラーの撲滅]
これまで専門の知識と技術が必要だったプログラミング能力がなくともソフトウェアやアプリ作成が出来る、ノーコードモバイルアプリ作成ツール「Platio」を活用した今回の事例。
興味がある方は一度問い合わせてみてはいかがだろうか。
Platio:https://plat.io/
アステリア:https://jp.asteria.com/
キーウェアソリューションズ:https://www.keyware.co.jp/